建物の基礎の劣化は塗装で予防できる
建物の基礎は屋根や外壁に比べると目立たない箇所です。その基礎に塗装するとどのような効果があるのでしょうか?塗膜が基礎の劣化を予防できるなら試してみてはいかがでしょうか?
建物の基礎の劣化症状とは?
基礎は建物を支える重要な役割を担っています。強固であるだけではなく、建物に加わる力を地面にバランスよく伝え、地震や突風などの自然災害にも耐えられる柔軟性を持ち合わせています。さらに湿気を逃がす役割を持ち、湿気から建物を保護しています。
基礎の代表的な劣化症状といえば、ひび割れや剥離です。コンクリートやモルタルでできた基礎が多いので、施工後も水分を吸収し、乾燥時には収縮します。小さなひび割れの発生は避けられません。
地面からも水分を吸収しますので、塗膜に防水性と透湿性の両方の性質を持った塗料を選ぶ必要があります。
他には、塩害、凍害、コンクリートの中性化による鉄筋の錆びの発生や変色、コンクリート内部の空洞化なども建物の基礎の劣化症状として覚えておきましょう。
建物の基礎に塗装する効果
塗料は、素材や周辺環境などに合わせて選ぶ必要があります。基礎の素材の多くは、コンクリートやモルタルです。これらの素材は、吸水性が高く、防水性がありません。そのため、防水性のある塗料を使って塗装しなければなりません。
コンクリートは、水分を吸収し乾燥するとひび割れが発生しやすいだけではなく、内部の鉄筋を腐食させます。鉄筋の劣化による膨張でコンクリートにクラックを生じさせ、表面の剥離や落下などを引き起こします。
このように基礎に使われているコンクリートやモルタルの性質を考えて、適切な塗料で塗装すると、防水性が高まり、コンクリートの中性化を予防します。同時にカビや苔などの発生を抑え、美観向上につながります。
基礎用の塗料を使用すること
基礎専用の塗料が各塗料メーカーから販売されています。コンクリートで作った基礎に対しては、透湿性と防水性に優れた性能を持つ塗料がおすすめです。
フッ素などの保護塗膜がコンクリートの中性化やカビや藻の発生を防いでくれます。耐久性は、10年程度の製品が多く、定期的に塗り替え工事を行う必要があります。ひび割れ対策には、弾性を高めた基礎用塗料を選ぶといいでしょう。
基礎塗装の費用の目安
基礎の塗装では、足場を設置する必要がないので、他の塗装よりも安く済むことが多くなります。1平米あたり3500~4000円が目安です。
屋根や外壁の塗装を実施する際には、サービスで基礎の塗装を行うことがあります。基礎だけを塗装するよりも、計画的な再塗装メンテナンスで基礎部分も忘れずに塗装してもらうようにし、合計の工事費用を安くしてもらいましょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。