リシン吹付のデメリット
モルタル仕上げでよく採用されている仕上げ方法の一つが、「リシン吹付」仕上げです。木造住宅でモルタル外壁を選択している場合は、リシン吹付で仕上げを行っているところが多いはずです。
日本家屋のモルタルには欠かせないリシン吹付仕上げは、上品なイメージを演出し高い人気があります。
しかし、メンテナンスや耐久性の面で少しデメリットを感じることがありますので、今回はリシン吹付仕上げの注意点について解説していきます。
ザラザラした上品な風合いが高い人気のリシン吹付仕上げ
モルタル外壁の仕上げに使われているリシン吹付仕上げは、リシンガンと呼ばれているコンプレッサーを使い、塗料と骨材を直接吹き付けて施工しています。刷毛などを使わず、コンプレッサーを使用するので、品質にばらつきが少なくなり、短時間で施工できるというメリットがあります。
リシン吹付後にブラシで掻き落としを行うと、自然な風合いが出て、より上品で高級なイメージの仕上りになります。
リシン吹付仕上げは、モルタルと塗膜の上に施工する外壁の仕上げ方法ですので、外壁材を長期間保護し、建物を長持ちさせます。使用するリシン材は、通気性が高く、透湿性もありますので、湿気を内側に溜め込むことはありません。
リシン吹付仕上げの注意点
・リシン材の選択を間違うとひび割れする
モルタル外壁は、振動などでひび割れが入りやすい性質があります。木材とモルタルは伸縮性が高いので仕上げ材の種類によっては、ひび割れしやくなってしまうことがあります。
使用するリシン材には、弾性リシンを使い、木材やモルタルの伸縮に追従できるタイプにしてもらいましょう。耐久年数が長くなりますので、施工費用が高くなっても費用対効果に見合う値段です。
・色やデザインによっては汚れやカビが目立つ
リシン吹付仕上げは、モルタル外壁では一般的な仕上げ方法ですが、高級感があり落ち着いた印象を与えるため人気のある外壁の仕上げ方法です。
しかし、表面に凹凸が多いので、白い色の外壁になると経年劣化で汚れが目立つようになったり、風通しが悪く湿気の多い地域ではカビや苔などが発生するようになったりします。
カビや苔の発生は特に問題です。カビが根を張ると水洗い清掃だけではなかなか除去できないからです。
薬剤を使ったバイオ洗浄をしっかりと行い、防水効果や防藻・防カビ効果の高い塗料を選択すべきでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。