シーリングの劣化要因と劣化対策
シーリング(コーキングとも呼ばれている)は、外壁や内装で活躍している主要な住宅用資材です。外壁ならサイディングボードの継ぎ目に使用されており、雨水の浸入や建物の揺れなどに対応しています。
シーリングは、合成樹脂や合成ゴムが主材料となっているので、最初は柔らかくても次第に劣化し硬くなっていきます。劣化すると補修や交換が必要です。ここでは、シーリングの劣化要因と劣化対策について解説します。
経年劣化が主な要因
シーリング材は、必ず劣化します。他の建築材料と同じように耐用年数が決まっています。過酷な自然環境や風雨、温度差などにより、伸び縮みを繰り返し、硬化していきます。
シーリング材が硬くなると、ひび割れが生じやすくなっていきます。その後、表面が剥がれ出し、全体が剥離していきます。
硬化に伴い、シーリング材が痩せて細くなり、隙間が生じます。隙間から雨水が浸入しやすくなりますし、サイディングボードの継ぎ目の役割を果たせなくなって、割れてひび割れが出じるようになります。
このようにシーリングは、通常の経年劣化でも正常な機能を果たせなくなりますので、定期的にシーリングの打ち替えや打ち増し工事が実施されています。
シーリングの劣化対策とは?
シーリングにも耐用年数がありますので、シーリング材の性能に応じて、定期的に交換となる「打ち替え」や「打ち増し」工事が実施されます。しかし、ひび割れの症状をできる限り予防する方法があります。
それは、シーリング材のある箇所を定期的に清掃する方法です。ゴム状の素材ですので、ゴミや汚れが付いて定着して取れにくくなる前に清掃するようにしましょう。
絞った雑巾などで丁寧に汚れを拭き取るとシーリング材が長持ちします。
痩せて細ったシーリング材を充填補修する場合は、「打ち増し」になります。ホームセンターで販売されているシーリング材やコーキング材を使ってDIY補修も可能ですが、全て剥がしてから新しいシーリング材を充填する場合は、専門業者に補修を依頼したほうがやり直しも発生せず安全です。
シーリング施工で手抜きしないこと
新規のシーリングの施工時に手抜きをすると、想定していた耐久性が得られず、耐用年数が短くなってしまいます。そのため、新規施工時や補修時は、プライマーなどをしっかりと塗布し、施工前の下地の調整をきちんと行うことが重要です。
また、少々値段が高くなっても、耐久性の高いシーリング材を選びましょう。できる限り耐久性が高く劣化しにくいシーリング材を使って施工することが、基本的な劣化の予防対策となります。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。