価格と性能のバランスをよく考えて選びたい!「フッ素塗料」
フッ素塗料といえば、外壁塗装でもハイグレードに位置し、高性能で高額な費用がかかる塗料です。耐久性、耐候性、親水性、防水性など、あらゆる分野において、優れた性能を持ち合わせているため、単価や総費用も高額です。
高層建築物だけではなく、一般の戸建て住宅や注文住宅にも採用されるようになってきています。フッ素塗料を選ぶ際のポイントや注意点について解説していきます。
高性能でメリットが多いフッ素塗料
フッ素塗料の最大のメリットといえば、高い対候性と耐久性です。耐候性がいいと、雨水や太陽からの紫外線にも強く、長期間屋根や外壁を保護します。色あせにも強いとされています。高い対候性により経年劣化しにくく、耐久年数も15~20年程度と一般的なシリコン塗料よりも1.5倍以上の寿命が期待できます。
フッ素塗料は、親水性も高く、水となじみやすく、汚れ、埃、油などを浮かせて、水と共に洗い流してくれます。こうした性質のことを、低汚染性や耐汚染性と呼んでおり、屋根や外壁を長期間保護するには必要な性能だとされています。
さらにカビや藻、苔などの発生を抑える防藻性や防カビ性にも優れています。カビや藻が発生すると、外壁も緑色になっていきます。湿気の多い場所にあり、太陽光が当たらない場所が多い建物の場合は、フッ素塗料が外壁の外観をいつまでも美しい状態にキープしてくれます。他にも、フッ素塗料は、防水性や耐熱性にも優れています。
フッ素塗料選びのポイント
フッ素樹脂塗料の単価は高く、1平米あたり4000~4500円です。一般的なグレードのシリコン樹脂塗料なら、1平米あたり2500~3200円程度のコストで済みます。フッ素塗料を選ぶ場合は、長期間同じ色やデザインの外壁塗装を希望している方に向いているといえるでしょう。
逆に、頻繁に外壁塗装色を塗り替えたい方には、耐用年数に応じた単価の安いグレードの塗料でも問題ありません。フッ素塗料を使用すると、建物の美観を維持し、長期間建物を保護してくれます。初期費用が高くても、コスパを重視するなら、フッ素塗料がおすすめです。
親水性が高く汚れにくい性質がありますし、長寿命であることから、お手入れやメンテナンスの回数が少なくて済みます。塗装後のメンテナンスの手間や費用を省くことができるので、高い施工費用も無駄にはなりません。
外壁塗装で選ばれているフッ素塗料
・日本ペイント
外壁塗装用には、「ファイン4Fセラミック」が有名です。
塗装業者にも安定した人気がありよく選ばれています。弾性機能の高い「高弾性ファイン4Fセラミック」なども塗装面の状態に応じて使い分けされています。
塗装実績が豊富ですので、失敗が少ない塗料です。
サイディングの他、コンクリートやモルタル、鉄、アルミなどの金属素材、塩ビやFRPなどにも対応できています。「ファイン4Fセラミック」の塗装工事単価は、1平米あたり3800~4300円です。
・エスケー化研
外壁用では、「クリーンマイルドフッソ」が人気です。
弱溶剤系の比較的安全に使える塗料です。日本ペイントのフッ素塗料に次いで人気があります。サイディングやコンクリート、モルタル、鉄、ステンレス、アルミなどの金属素材にも対応しています。耐用年数は、15~20年です。「クリーンマイルドフッソ」の塗装工事単価は、1平米あたり4200~4800円です。弾性機能を持つ「弾性クリーンマイルドフッソ」なども使用されています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。