塗料の1液型と2液型とは?
屋根や外壁に塗る塗料の分類では、「1液型」と「2液型」の2つの分類することができ、使いやすさや耐久性、保管の問題などで大きな違いがあります。今回は、基本的な知識として、「1液型」と「2液型」の塗料について一般の方が知っておくべきことをお伝えします。
組み合わせて使う塗料の存在
塗料の分類では、グレードの違いや水性・溶剤といった分け方の他にも、「1液型」と「2液型」の大きく2つに分類することができます。「1液型」と「2液型」の違いは、簡単に言えば、1つの缶の液体だけで塗装するか、使用時に2つの缶の液体を混ぜて塗装するのか、の違いです。
1液型の塗料は、塗料缶は1つで、水やシンナーで薄めて塗装していきます。2液型の塗料は、最初に塗料缶が2種類存在します。その2種類とは、塗料となる主材と硬化剤です。塗装する直前に主材と硬化剤を混ぜ合わせて使用しなければなりません。主材と硬化剤を混ぜた後に塗料として使用することができ、薄めるときは、水やシンナーを使って薄め、外壁に塗装していきます。
2液型は従来の塗料のこと
2液型は、塗装前に2種類の液体を混ぜ合わせる必要があります。屋根や外壁用の塗料では、もともと2液型の塗料しかなかったようです。2液型の塗料は、混ぜたときはドロドロとした液状で塗装しやすい状態ですが、数時間で硬化し固まってしまいます。そのため、塗装する量だけ使用前に混ぜて塗料を作って使用する必要があります。
一度混ぜると、使い切らなければなりませんし、混合比率なども一定の割合を考えなければなりません。2液型の塗料は、塗装経験が必要で、取り扱いの手間がかかることがデメリットでした。そこで、後になって登場したのが、1液型の塗料です。硬化剤が最初から入っており、すぐに使うことができ、2液型塗料よりも作業効率がアップします。
耐久性や耐候性は2液型がよい
1液型と2液型の特徴を比較すると、使いやすさに関しては、1液型がいいようです。価格も1液型が安くなっていますが、塗る場所が限定されてしまいます。
2液型は、耐久性や耐候性がよく、塗装できる場所も多くなっています。
しかし、混合するとその日に使い切る必要があります。価格は2液型のほうが高くなっています。保管の点では、1液型は余った塗料も別の日に使うことができますが、保管場所が限定されます。2液型は、混合前の状態なら、1液型よりも長期間保管できるというメリットがあります。
金属板やスレートなら2液型
コンクリート、セメント、モルタル、サイディングボードなら1液型でも2液型でも塗装可能ですが、スレート、鉄部、亜鉛メッキ鋼板、アルミ、ステンレス、ALCパネルなどは、2液型を使うしかありません。
2液型は、金属にも塗装できるので、安くて使いやすいからといって理由で1液型が選ばれることはなく、塗装する箇所に応じた塗料選びを行う必要があります。
2液型なら、耐用年数も3年ほど延び、価格も1割程度の上昇に留まります。プロの塗装業者は、2液型を選んで使うことが多く、あらゆる塗装面に無駄なく塗装してくれます。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。