外壁塗装のよくある近隣トラブル
外壁塗装工事では、工事前工事中工事後なども各種トラブルが発生する確率が高く、事前対策や事後対応を間違うと訴訟に発展する危険性もあります。
外壁塗装工事は、ご自身だけの問題ではなく、家族や近隣住民にも影響や被害を及ぼすことがありますので、よくあるトラブルについてはしっかりと対処できるように、塗装工事前に塗装業者と打ち合わせや近隣への挨拶などを済ませておくようにしてください。
足場の組立や解体時の騒音
足場の設置や解体に係る作業は、必ずうるさい金属音がして自宅から少し離れた場所までもその音が響き渡ります。普段静かな住宅街なら、その騒音は耐え難いものとなるでしょう。
標準的な足場を設置するときにはハンマーを使いますが、スパナを使用する単管ブラケット足場などもありますので、騒音が気になるようなら足場の種類にもこだわったほうがいいかもしれません。
各種近隣のクレームに共通する対処法は、塗装業者と施主が両方行う事前のご挨拶周りです。ご挨拶周りは、単に工事のお知らせや謝罪をするだけの型にはまった「しきたり」ではありません。工事の日程、工事内容、連絡先など、工事前に伝えるべき内容をきちんと書面にして伝えることがとても重要です。
塗料の悪臭
油性塗料は、シンナーなどの有機溶剤を使用しますので、強い臭いがします。風通しの悪い場所なら、お隣の方が臭いに敏感な方でしたら、頭痛がしてくるかもしれません。
油性塗料は、水性塗料よりも性能がよく、密着力も高いので耐久年数もアップします。臭いを気にする方が多い場合やシンナーの強い臭いに耐えられない方がいる場合は、臭いを抑えた油性塗料や水性塗料を使用するようにしましょう。水性塗料を選ぶ場合は、ワンランクグレードの高い塗料を選択すべきです。
塗料や汚水がご近所の建物やお庭に飛散
高圧洗浄水の汚水や作業中の塗料の飛散は、養生や飛散防止ネットなどの事前対策を完璧に実行していたとしても全て防げるものではありません。
一時的な強風により、2~3軒先の建物にまで塗料が飛んでいってしまうことがあります。もちろん、ご自身のお庭や芝生、植栽、ガレージ、車などにも塗料がつくことがあります。
近隣への塗料の飛散による被害は、施主の責任ではありません。そのため、塗装業者のほうで処理していますが、その際、数十万円の弁償代などがかかっていることがあります。今後の近隣住民とのお付き合いなども考え、塗料の飛散の被害は、塗装業者だけではなく、施主からも謝罪を行ったほうがいいでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。