木造住宅の外壁でよく見るリシン吹付のデメリット
外壁塗装の各種方法のうち、一般の木造住宅でよく見られる仕上げ方法の一つが「リシン吹付」です。
リシン吹付は、凸凹を出し高級感のある仕上りに見せられる人気の施工法です。施工が容易で短時間で済むので、リフォーム費用が安くなるというメリットもあります。
しかし、施工を依頼するにあたり何か問題点はないのでしょうか?デメリットについてもよく理解したうえで施工を依頼するようにしましょう。
木造住宅の外壁塗装の定番は「リシン吹付」
少し前の木造住宅ではモルタル外壁が定番でした。リシン吹付は、モルタル外壁材の仕上げ方法の一つです。他にもスタッコ仕上げ、吹付タイル仕上げなどがあります。リシン吹付ではリシンガンを使い、骨材と塗料を混合して外壁に吹き付けて塗装施工します。
リシン吹付の外壁材の表面はランダムに凸凹した状態になっており、自然の風合いや土壁のような風合いを出せることから高級感のある仕上りになります。リシンガンを使うと特殊な技術が不要となり、短時間の作業で職人による品質の差が出ないので比較的低価格で施工可能です。
細かい模様や高級感を出すならリシン掻き落とし
リシン吹付でもある程度の上品な仕上りになりますが、細かい模様やデザインを重視し、より高級感を出そうと思えば、リシン吹付の後にリシン掻き落としを行う必要があります。
リシン掻き落としは、リシン吹付の塗装が乾燥する前に剣山やブラシを使って掻き落とし作業を行います。塗装工程が増え、高い技術を持った職人が作業をしますので、作業時間が長くなり人件費もアップします。
リシン吹付の問題点
木造住宅では、サイディングボードが増えていますが、モルタル外壁のリシン吹付は今でも施工可能です。塗装を依頼する際は、リシン吹付のデメリットもよく知っておきましょう。
リシン吹付は、塗膜が薄く、ひび割れに弱いという弱点があります。しかし、弾性リシンを使用するとモルタル外壁の伸縮に追従できるようになります。基本的に塗膜が薄く、防水性が低いので小さなひび割れからの雨水の浸入やモルタル素材の水分の吸収により、内部が腐食しやすくなっています。
リシン吹付の表面は、凸凹してざらついています。高級感のある質感を求めている方には人気のある施工法ですが、経年劣化により隙間に汚れが溜まりやすく、美観が損なわれていきます。湿気の多い場所では、藻や苔、カビなどが発生し、高圧洗浄が必要となることがあります。汚れがひどい場合はバイオ洗浄が行われます。
耐用年数は、長くても10年程度ですので、定期的な塗り替えメンテナンスが必要です。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。