下地処理は外壁塗装の質向上に重要
塗装は塗装前の洗浄作業や補修などの下地処理が最も重要です。下地処理の各作業を丁寧に行うと、塗装後すぐに塗膜が剥がれることはありません。
塗装前の下地処理は、見えにくい作業工程ですが、後の塗装工程の質を左右するのでプロであれば疎かにすることはありません。
下地処理を行う理由
メンテナンスのための再塗装工事は、屋根でも外壁でも古い塗膜がある状態から始まります。
塗装する表面の汚れだけではなく、古い塗膜もしっかりと取り除いていないと、新しい塗料を塗装することができないことがあります。凸凹した下地、亀裂の入った下地などは、塗料の色ムラなどの原因にもなります。
下地処理は、塗装後の塗膜を美しいものにするだけではなく、塗料の性能を最大限に引き出すためには大変重要な作業工程です。
下地処理がきちんとできていると、塗膜の耐久性がアップします。耐久性が高いと、耐用年数が長くなり、長持ちするという意味です。再塗装を何度も行うと高額な塗装費用がかかります。
できる限り耐久性の高い塗膜を形成するためにも、下地処理を重視する塗装業者を選ぶようにしましょう。
下地処理は複数の作業を含みます
下地処理で行う作業は一つではなく、複数の作業があります。下地の素材や状態に応じて、実施しない作業もあります。共通して実施する下地処理作業といえば、ケレン、高圧洗浄、クラック補修になるでしょう。
・ケレン
1~4種まであります。錆びや汚れ、残った旧塗膜などを丁寧に除去する作業工程です。サンドペーパー、ワイヤーブラシ、サンダーなどの電気工具、剥離剤などを使用します。
1種、2種のケレンは、電気工具や化学薬品を使用し、手作業では簡単に落とせない汚れを落とすケレンです。一般住宅では3種、4種のケレンが実施されています。手作業でケレンを行い、塗料が下地にしっかりと付着しやすいような施工を行っています。
・高圧洗浄
汚れや細かな埃などを落とすには業務用の高圧洗浄機を使います。ブラシなどで汚れを落とすよりも、高圧の水を使ったほうがキレイに汚れを落とせます。
汚れが残りにくく、均一に落とすことができます。一斉に汚れを落とせるので時間の短縮にもなります。水を使っているので、高圧洗浄作業後は下地をしっかりと乾燥させる必要があります。
乾燥した下地に塗料を塗布しなければ、下地との密着度が低くなり、剥がれやすくなるからです。
・クラック補修
下地のケレンも重要ですが、ひび割れや大きなクラックなどが作業中に見つかった場合は、塗装では補修することができないので、クラック補修が行われます。
「ヘアークラック」ではなく、「構造クラック」ができ、外壁材にまでひび割れが進行している場合は、シーリング材による穴埋め補修や外壁材の一部をU字やV字にカットしてシーリング材を充填しやすくして補修する方法があり、下地の素材や状態に応じた適切なクラック補修が行われています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。