外壁塗装に欠かせない弾性塗料とは?
塗膜が伸びる機能を持つ塗料のことを「弾性塗料」と呼んでいます。
塗膜が伸びるとひび割れがしにくくなり、小さなひび割れが出来ても弾性塗料がカバーしてくれます。
主にモルタルやコンクリートなどに使用されていますが、サイディングでは塗膜が膨れることがありますので使用されていません。
3種類ある弾性塗料の特徴
弾性塗料は、弾力性のある柔らかかい塗膜を形成する塗料です。
汎用塗料に比べると伸縮性や弾力性が高く、外壁材の表面にひび割れができても、塗膜が割れたり、破れたりすることがなく、塗膜が伸びて防水性などの塗膜の保護機能をしっかりと維持できます。
一般的な塗料は、「硬質塗料」と呼ばれています。弾性塗料は、伸び率が120%以上です。
弾性塗料には、他にも微弾性塗料が存在し、こちらの伸び率は50~100%です。
弾性塗料は、JIS規格で定められていますが、微弾性塗料には明確な規格や規定などはありません。
弾性塗料はどんな外壁に適しているか?
モルタル外壁やコンクリート外壁には、弾性塗料がよく使われています。
モルタルやコンクリートは、ひび割れが発生しやすく、地震の揺れや強風、大型トラックの通行による振動でも自然にひび割れが生じることがあります。上塗りに硬質塗料を選ぶ際にひび割れが起こると予想できる場合は、弾性塗料を選択すると塗膜がひび割れしにくくなります。
外壁材のクラック(ひび割れ)補修では、シーリング補修をした後に下塗り材に弾性塗料や微弾性塗料を使って塗装しています。
しかし、窯業系サイディングボードの場合は、弾性塗料が使用できません。理由は、熱が溜まると塗膜が膨れやすいからです。
弾性塗料の工法と価格
弾性塗料の塗装工法は、3種類あります。
工程が多いほど、弾性力が高くなります。
5工程ある「複層弾性塗料仕上げ」は、下塗りにシーラーを塗り、その後、2回の中塗りで弾性塗料を使用します。仕上げに上塗り塗料を2回塗装します。弾性力が高くなりますが、工程が増え材料費や乾燥にかける時間や手間も増えます。
3工程の「単層弾性塗料仕上げ」は、下塗り工程でシーラーを使用します。
その上に弾性塗料で2回の上塗り工程が行われます。
3工程の「微弾性塗料仕上げ」は、下塗り工程で微弾性塗料(微弾性フィラーなど)を使用します。
その上に通常の塗料で2回の上塗り工程が行われます。
アステックペイントの弾性塗料が有名です。弾性塗料の参考価格は、1平米あたり2400~3000円程度です。汎用塗料と組み合わせて使いますので、弾性塗料のみの参考価格を掲載しています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。