ALC外壁の特徴とメンテナンスの注意点
ALC外壁は、窯業系サイディングやモルタルと比べても耐久性が高く軽量であることから人気の高い外壁材です。
しかし、値段も倍近くしますので、メリットやデメリットをよく比較検討した上でALC外壁を選択するようにしましょう。
高価だが各種メリットが多数のALC外壁
ALCは、軽量気泡コンクリートのことで、「Autoclaved Light weight aerated Concrete」の頭文字を取った呼び名です。
外壁材として使用する場合は、金属網で補強しパネルとして継ぎ合わせて利用しています。
ALCはコンクリートの4分の1の重量で軽量です。軽量になっている理由は、コンクリート内部に気泡が入っているためで、この多数の気泡が断熱性を向上させています。
パネル状ですから施工も比較的簡単です。
また、気泡により遮音性に優れた特徴があります。加えて調湿機能も備えており、湿気を溜めることはありません。
コンクリートが主成分です。耐火性に優れ、国土交通省認定の耐火構造になっています。
ALCは、セメント、ケイ石、生石灰を主成分としています。施工単価は、1平米あたり7500円~となっており、窯業系サイディングやモルタルの2倍以上の施工単価です。
メンテナンスが10~15年ごとに必要ですが、耐久年数は30~50年です。
外壁塗装が必要なALC外壁
ALCの弱点は、コンクリートの高い吸水性です。ALCにも塗装が必要ですが、古くなり塗膜が劣化すると、ALC内部の気泡に水分が入ります。水分を吸収し、環境の変化により凍結や膨張を繰り返すと、硬いコンクリートであってもひび割れ(クラック)が発生し、建物の耐久性が大幅に低下します。このような理由からALC外壁には10~15年ごとに塗装メンテナンスが必要となっています。
ALC外壁に対応した防水性の高い塗料
ALC外壁のメンテナンスは、部分補修と外壁塗装が最も有効です。
塗料は弾性の高さがポイントです。硬いコンクリートはクラック(ひび割れ)が発生しやすいので、柔軟性の高い弾性塗料がおすすめです。ひび割れが発生しても塗料の塗膜が伸び、建物の内部を保護します。
塗装メンテナンスの際には、サイディングボードと同様に目地のコーキング補修が行われています。
塗装メンテナンスは全体で100~150万円ほどの費用がかかります。
サイディングボードの塗装費用に比べると割高ですが、ALC外壁は50年以上も使える耐久性の高い外壁材ですのでしっかりと必要なメンテナンスを実施しましょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。