セルフクリーニング効果の高い次世代塗料
光触媒塗料や低汚染塗料には、セルフクリーニング機能がついています。セルフクリーニングといっても、太陽光や雨などの自然の力を借りる必要があり、その自然の力で外壁の汚れを洗い落して長期間外壁面を美しく保つ機能のことです。今回は、環境に優しい次世代塗料についてのご紹介です。
塗料のセルフクリーニング機能とは?
セルフクリーニング機能を持つ塗料のことを「低汚染塗料」と呼び、一般的な塗料と区別されています。セルフクリーニング機能のついた塗料は、特殊で高機能であることから、フッ素塗料などのハイグレードな塗料と同じぐらいの費用がかかります。
塗膜の表面には特殊なコーティングが施され、細かい塗膜が汚れやホコリなどの浸入を防ぎ、隙間に入らずに浮かせて、雨が降ったときに洗い流すようにしています。セルフクリーニング機能がついた塗料は、塗膜がきめ細かく、雨水となじみやすい構造になっているので、雨が降ったときに他の汚れとともに流れやすい状態になっています。
勝手に洗い流してくれるようなイメージがあるセルフクリーニング機能のついた塗料ですが、環境や人体にも無害の大自然の力を借りて、うまく汚れを洗い落とす仕組みになっています。
耐久性やメンテナンス性を考えると価値ある選択になる
無機塗料や光触媒塗料などのセルフクリーニング機能のついた塗料は、価格が高く、ハイグレード塗料に位置しています。しかし、耐候性や耐久性が大幅に向上し、なおかつ、ひび割れを防ぎ、美しい外壁面を長期間保つことから、価格に見合った選択になることが予想されます。
外壁塗装の寿命は、15~20年程度にまで延び、将来どうなるのかは予想できませんが、通常の自然環境の中においては、セルフクリーニング機能のついた塗料を選ぶことはベストな選択になることでしょう。
遮熱性能も高い次世代塗料
セルフクリーニング機能のついた次世代塗料は、遮熱性能も兼ね備えていることがあります。省エネを考えた遮熱性能により、一年中快適な室内を維持し、光熱費の節約にも役立ちます。電気代の節約は、月ごとに見ればわずかな差ですが、10年単位の長期で見れば、大幅な省エネ効果となって戻ってくるに違いありません。
セルフクリーニング機能のついた塗料といえば光触媒塗料
光触媒塗料といえば、2017年に販売を停止したTOTOの「ハイドロテクトコート」がとても有名です。そして、今現在、光触媒塗料を生産販売する塗料メーカーは、10社程度しかないと言われています。
大手塗料メーカーは、現在のところ光触媒塗料を生産販売していません。TOTO以外で実績のある光触媒塗料は、日本特殊塗料の「エヌティオシリーズ」、ピアレックスの「ピュアコートシリーズ」の2社です。他には、ニュートラル、SICコーティングス、OPTIMUSなどが、独自の光触媒塗料を取り扱っています。
セラミックを使った無機塗料
セルフクリーニング機能のついた塗料で、最もハイグレードな塗料は、セラミックやケイ素を使った無機塗料です。無機塗料は、大手塗料メーカーでも取り扱いが豊富です。例えば、日本ペイントの「アプラウドシェラスターNEO」、エスケー化研の「セラミタイトペイント」、関西ペイントの「アレスシルクウォール」などです。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。