外壁塗装の膨れはなぜ起こるのか?
ふと外壁の塗装面を見ると、偶然膨らんでいるのを見つけたことはありませんか?触ってみると、空気が入ってるような感触がすることがあります。外壁の劣化が進んでいると、塗膜が剥がれて水が出てきたり、塗料が剥がれ落ちたりします。こうなったら、すぐに外壁の補修や再塗装が必要です。
塗装の膨らみはなぜ起こる?
塗装の膨れや膨らみは、経年劣化が主な原因です。稀に、施工不良が原因となっていることがあり、施工不良が原因の膨れは、再度塗装のやり直しが必要となることがあり、注意を要します。
経年劣化が原因ではありますが、建物が古くなっていることから、外壁も劣化し、下地から水が浸入していることがあります。下地に水が浸入していると、木材も腐食し、雨漏りになってしまうので修理が必要でしょう。
施工不良は、未熟な塗装職人が起こすちょっとしたミスが引き起こすやっかいなトラブルです。例えば、高圧洗浄作業や下地処理が疎かになっていると、外壁材や仕上げ塗材の内部に水が溜まり、高温になると塗膜を押し上げて膨れ症状を引き起こします。
また、塗膜の間にカビが発生すると、塗膜の膨れの原因になってしまうことがあります。塗料を使用する場合は、塗装後の乾燥時間もメーカーが指定する時間以上を確保する必要があります。乾燥が十分でないと、下地が揮発し、その水分で上塗り塗材の膨らみが発生します。
凸凹した外壁材では、スキマが生じやすく、水蒸気が残っていると、夏場の高温時に体積が膨張し、塗膜の膨れを生じさせることがあります。
補修方法はざまざまだが放置すると高額な補修費用がかかる
外壁塗膜の膨れ・膨らみは、目視でも発見できるので、外壁塗装ではわかりやすい不具合です。しかし、症状を放置し、劣化が進んでボロボロになった状態でトラブルを解決しようとすると、多額の補修費用がかかります。
その理由は、塗膜だけではなく外壁材にも悪影響を及ぼすことがほとんどだからです。外壁塗膜の膨れは、水分が浸入していることになり、その水分が木材を腐食させ、雨漏りの主原因となってしまいます。
外壁材に割れた箇所があれば補修が必要ですし、防水施工なども行う必要があるでしょう。外壁塗装だけでは改善することができずに、外壁材の張り替え工事を行うようであれば、高額の費用をかけて大規模な外壁の張り替え工事を行わなければなりません。
外壁塗膜の膨れは、外観の劣化よりも、建物内部の劣化症状のほうが進みやすく、発見が遅れると補修工事も大規模なものになってしまいます。偶然、塗膜の膨らみを発見した場合でも、早期に部分補修や再塗装補修を検討するなど、あらかじめ信頼できる塗装業者や外壁リフォーム業者などに相談できるようにしておくといいでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。