機能を重視!雨樋の役割
雨樋が破損や故障していないのに、雨樋のリフォームをすることはあまり考えないでしょう。しかし、雨樋も経年劣化しますし、台風や突風、積雪により破損することがあります。雨樋は、普段はその存在を忘れてしまうことがありますが、家屋の中ではとても重要な役目を果たしています。雨樋は見た目よりも機能を重視したほうがいいでしょう。
雨樋のおかげで建物は守られている!
雨樋は、雨水から外壁や建物の基礎・土台などを守っています。屋根に落ちた雨水は、雨樋を通って、排水整備へと流れていきます。雨樋がないと、雨水が外壁や建物の土台などに直接あたり、汚れたり、木材を腐食させたりします。雨水が一か所に集まると、水はけの悪い場所では水たまりができ、湿気が多くなってしまいます。
雨の多い日本の気象条件では、雨樋は必須の設備です。雨樋が詰まったり、破損したりすると、雨水の浸入によりさまざまな困った被害を引き起こします。
例えば、雨漏りやシロアリなどの害虫・害獣の被害です。
雨樋の構成
雨樋は、いつくかの部位にわかれています。屋根裏にある軒天(のきてん)、水平方向の軒樋(のきどい)、垂直方法の竪樋(たてどい)、軒樋の雨水を集める集水機・上合(じょうごう)です。
・軒天
屋根の下にある壁で外壁から外側に出ている箇所です。軒天も、紫外線や雨風にさらされやすい箇所です。雨のシミや湿気の症状が出ていたら、屋根に雨水が入り込み、内部で雨漏りしている可能性が高いでしょう。
・軒樋
軒先に取り付けられている水平方向の雨樋のことです。軒樋に雨水を集めて、排水設備まで誘導します。勾配がつけられており、一方向に水が流れていきます。
・竪樋
垂直方向に取り付けられた雨樋のことです。軒樋からの雨水を集めて、下水へと誘導します。
・集水機・上合
軒樋と竪樋の交差する部分に取り付けられています。箱状になっており、軒樋から竪樋へとスムーズに雨水を流します。
雨樋の故障・破損の原因と修理方法
・雨樋や各部位に汚れが詰まる
雨樋や集水機には、汚れが詰まることが多くなっています。落ち葉、砂、鳥の糞、昆虫の死骸などがいつの間にか詰まり、雨樋の水がうまく流れなくなります。落ち葉や雪などが多いと、重みにより雨樋が曲がったり、破損したりします。
こうしたケースでは、「落ち葉よけネット」を使用し、ゴミの付着を予防します。雪の多い地域では、屋根に「雪止め」を設置し、雨樋の破損を防ぎます。雪止めは豪雪地帯では、よく見られる屋根の金具です。
・強風や積雪などの自然災害
台風の通過や集中豪雨などが続く雨風の強い地域では、雨樋が破損しやすくなっています。留め具が外れて雨樋が落下することもあります。大型台風が来たときは、専門業者に屋根や外壁などの点検を依頼するようにしましょう。
・軒樋の傾斜がなくなっている
水は上から下に流れる性質があります。軒樋にも傾斜がついており、その傾斜に沿って水が流れていきます。ところが、軒樋の支持金具が歪み、傾斜が逆になっていたりすると、雨水がうまく流れません。集水機からも水があふれてしまうようなら、軒樋の修理や交換が必要でしょう。軒樋の歪みや破損なども雨水が流れない原因となってしまうことがあります。
・継ぎ手の隙間からの水漏れ
雨樋の継ぎ手の部分の接着剤が劣化すると、隙間が生じ、雨水がそこから漏れて流れていってしまいます。外壁の雨漏りの原因になりますので注意しておきましょう。再度、隙間を接着するための修理や雨樋、継ぎ手の交換修理が必要です。
雨樋の耐用年数は最大25年
雨樋は、20~25年で寿命を迎えます。強度が下がると、部分的に割れや欠けが見られたり、歪みが生じたりします。いずれも経年劣化による症状なら、修理ではなく、雨樋全体の交換工事が必要となります。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。