屋上防水に最適なシート防水とは
シート防水は、施工する防水シートの種類によって耐用年数が異なりますが、15~20年程度は持つ長寿命の防水工法です。一般住宅だけではなく、中小ビルやRC造りの建物の屋上や陸屋根にもよく採用されている防水工法です。
防水シートを使って施工する防水工法
シート防水は、ゴムや塩化ビニールなどのシート状の素材を使って下地に施工し、防水層を作って屋上や陸屋根の上を保護する防水工法です。施工方法には、密着工法や機械固定工法などがあります。
ゴムシートよりも塩ビシートが丈夫
シートに使用する素材は、ゴムシートのほうが安価です。ゴムシートは、耐候性や伸縮性に優れていますが、シートの厚みが薄く、耐用年数も10~15年です。
一方の塩ビシートは、厚みが1.5~2.5ミリあり、耐用年数も10~20年程度に延びます。厚みのある防水層になりますので、突発的な衝撃による破れや鳥獣のいたずらによる破れなどにも強く、丈夫です。
施工期間は、共に1~4日です。シートを使うので比較的短期間で施工可能です。
短期間で施工可能な密着工法
次にシート防水で行われている2つの工法について順番にご紹介します。下地に直接貼り付ける密着工法は、機械や器具が不要で、簡単に施工できるため、工期も短くなります。
耐風圧性に優れ、屋上などの風の強い場所でも風でめくれあがったりすることはなく、しっかりと防水層を形成し、屋上を保護します。
下地が凸凹していると防水シートを貼り付けたときに、そのまま凹凸が残ってしまいます。破れやすくなってしまうので、施工前に下地調整が必要になってしまうでしょう。
通気層があって下地を選ばない機械固定工法
機械固定工法は、通気工法や絶縁工法とも呼ばれています。接着剤を使って貼り付けるのではなく、防水シートの下に通気シートを挟み、防水シートは専用の固定器具を使って固定します。
防水シートの下の通気シートのおかげで、下地の水分や湿気などを外に逃がすことができます。防水シートが熱によって膨らむことがありますが、通気層のある機械固定工法による施工なら、全く問題ありません。
機械固定工法では、下地調整が不要で接着剤を使用しません。クラックも入りにくく、厚みのある塩ビシートを使えば、長期間防水層を保護します。
また、既存の防水材を撤去する必要がなく、その上から防水シートの施工ができますので、さまざまな下地にも対応できます。
シート防水は、FRPやウレタンなどの他の防水施工に比べると低価格で施工でき、耐久年数もそこそこあります。施工期間も比較的短くて済み、メリットの多い防水工法です。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。