タスペーサーが必要な屋根とは?
タスペーサーは「縁切り」に使われ、塗装ではよく利用されている優れた道具の一種です。
ところが、全ての屋根に使われているわけではありません。屋根材や屋根の状態によっては、タスペーサーを使わない場合があります。
今回はタスペーサーの重要な役割と使わなくてもよい屋根などについて取り上げて解説していきます。
屋根塗装の「縁切り」に使われているタスペーサー
スレート屋根などの塗装作業では、昔から「縁切り」の作業が行われています。
縁切りとは、塗装後に塗料でくっついた屋根材と屋根材の隙間を切り取って隙間を作る重要な作業です。
縁切りで作った隙間は、雨が降った時の毛細管現象や温度差による結露を防ぎ、下地材が湿気で腐食することを予防しています。
完全に隙間を塞ぐと逆に水分や湿気が外に出なくなってしまうからです。
従来の縁切り作業は、塗装後に屋根に上がって一つ一つ丁寧にカッターなどで隙間を空けていました。
タスペーサーは、下塗り後に屋根材の隙間に差し込みます。屋根材1枚当たり2個を使い、十分な隙間を作った後に塗装作業を行います。
塗装後はタスペーサーを外すだけで、縁切り作業が終わるので、作業の手間や時間などを大幅に節約することができます。
スレートでもタスペーサーが使えない場合
瓦屋根に塗装することは少なくタスペーサーを使いません。
瓦屋根には塗装しないことがほとんどです。
また、その他の屋根材でもタスペーサーが使えないケースがあることを知っておきましょう。
それはタスペーサーの幅が屋根の隙間よりも小さい場合です。屋根の隙間が4ミリ以上あるとタスペーサーが挟まらずに落下します。
また、古いスレート屋根にはアスベスト(石綿)が含有されているものがあります。
2000年以降に登場したスレート屋根は、石綿を使っていない製品になっていますが、初期の製品は素材が脆くタスペーサーを挟むと破損することがありますので、タスペーサーは使えません。
できれば、スレート屋根を交換した後に塗装するなど、屋根材そのものを交換したほうがいい、という場合が多くなります。
さらに勾配な6寸以上ある屋根材にはタスペーサーの取り付けが不要になっています。
水性塗料で塗装する場合はタスペーサー
耐久性の高い油性塗料は、今でも塗装の主流です。油性塗料を塗る場合は、固まっても隙間が埋まりにくい性質があるのでタスペーサーをあまり必要としない場合があります。
しかし、環境配慮型の水性塗料も少しずつ増えています。水性塗料の場合は、屋根材の隙間を埋めてしまう性質があります。
そのため、スレート屋根の塗装では、タスペーサーが使われることが多くなっています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。